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小ネタ/アイマスとプロデューサー

Last-modified: 2017-05-07 (日) 22:39:57 (293d)
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アイマスとプロデューサー

アイドルマスター(AC)はギャルゲーがブームになっている事を受けて企画されたものの、ギャルゲーブームが下火になる中でアーケードならではのライバルとの対戦要素が強化されて恋愛とは違うプレイヤー自身が立身出世していく仕組みをもったゲームとして完成しました。

当時のギャルゲーの欠点分析からの差別化だけでなく、アーケード対戦させてリプレイを促すにはハッピーエンドでも仕事上の関係という距離感が丁度良いという合理性も合わせもっていました。
恋愛が成就しない、それより高い目標を設定することで、アイドルの成功を左右する立場からある意味で親心に近い視点、同僚に近い関係で語り合えるコミュニティ形成につながりました。

最初はマネージャーを想定していた名残で、トレーニングや営業のスケジュール管理など、タスクの中身はプロデューサーというよりも、実態はアイドルの世話を焼く雑用でした。
しかし、現実の業務とはかけ離れているからこそ矛盾を飲みんで拡張する事が出来たのでしょう。

今ではシステム(育成方法)やゲームプレイに関係なく「アイマスのプロデューサー」という役職としてプレイヤー同士、二次創作クリエイターまで、まとめてプロデューサーと呼称されるようになりました。
こうした現実を侵食するコミュニティ形成は、現在のソーシャルゲームにも影響を与えています。

当たり前に受け入れられているからこそ、新しく入ってきて違和感を持つ人も出てくるかもしれません。
「そういうものだから」としか言えないこともあるのですが、ここは本質に関わることなので言及されています。
アイマスにおけるプロデューサーの業務と距離感に関して、開発者インタビューを抜粋しておきます。

肩書き

2004年11月24日 「THE IDOLM@STER」開発スタッフインタビュー!

……まさに試行錯誤の繰り返しなんですね。

小山P:さっき言ったオーディションの所もそうですし、例えば、最初はプロデューサーではなくって、プレイヤーはマネージャーだったんです。アイドルとマネージャーで一緒に仲良くなっていきましょうね、という感じだったんです。けれども、ある日から急に「プロデューサーの方が格好いい!」という豪快な理由から、プロデューサーにしましょうと(笑)。それも、ほとんど声の収録が終わってからといった具合に、本当に試行錯誤の連続でした。結局、クールな音楽空間で、育成やオーディションをしつつ、プロデューサーが、新人アイドルをトップアイドルに育て上げるというコンセプトが完全に固まったのは、ここ最近だったりしますし。

2010年8月31日 聖地・ナムコ中野で「アイマス最高!」 アーケード版のネット接続最終日を追う

開発当初、プレイヤーはマネージャーという設定だったんですが、どうしてもしっくりこなくて。自分がアイドルをプロデュースしているという設定の方が、みんなで話しやすいから、と(打ち合わせで)言っていたことを覚えています。

2007年01月25日 “進化”した「アイドルマスター」の魅力を、プロデューサーに聞いてみました

――このアピールの指示も含めて、プレーヤーの立場はマネージャー的な部分もありますよね。

坂上 そうですね、アイドルを育てるということをひとまとめにして、“プロデューサー”としています。普通、オーデション中にプロデューサーが「そこだ!!」なんて言いませんからね(笑)。

小野田 マネージャーでも言わないですよ。「静かにしてください」とか怒られて、つまみだされます(笑)。

距離感

2006年07月28日 Xbox 360で発売される『アイドルマスター』について語る開発陣の魂のコメントを公開!

――移植するに当たって気をつけた点というのは?

坂上 僕はロケテストのときからこのゲームをプレイしているんですよ。だからそういう意味では、ユーザーさんと同じ視点から入ったと思うんです。このゲームは、よくユーザーさんから「1回クリアーしたあとも、また同じキャラをプロデュースしたくなる」と言われるんですよ。このゲームってホントは3人ユニットを作ることができるので、どちらかというと、いろんな組み合わせを楽しんでいけばいいじゃない、という趣旨のゲームなのに、そういう気持ちにさせられるんですよね。「それって何やろな?」っていう疑問が僕の中につねにありまして、ずっと考えながらプレイしていたんですけど、あるときその答えに気づいたんですよ。

じつはそれがほかのゲームと差別化されている部分で、このゲームは、各キャラに対する"距離感"が違うんですよ。キャラとの距離感があるんです。それは何かというと、女の子はアイドルを目指す。プレイヤーはプロデューサーとして成長するのを目指すんですよね。それが、このゲームでの基本的なルールなんです。だから自分は、プロデューサーとして女の子を50週間(回)の中で成長させていかなくてはいけない。そうしてファンの人数を増やしていかなくてはいけないという使命があるんです。でも、あるときに、ファンの人数が規定の人数に足りないと強制的に辞めさせなくてはいけなくなってしまう。その女の子との距離感というか、ショックというのがユーザーさんにも伝わっている気がしていますね。

システムの流れとか、いろいろと気をつけて移植しなくてはいけない部分はありますが、まず、その"距離感"というのを、Xbox 360版のほうにも入れていかないといけないと思っています。それをたとえば恋愛ゲーム寄りにしてしまったり、育成ゲーム寄りにしてしまうと、たぶんお客さんからは「これは『アイドルマスター』じゃないよ」と言われてしまうと思います。

2007年01月25日 “進化”した「アイドルマスター」の魅力を、プロデューサーに聞いてみました

坂上 我々が、本作で重要だと思っているひとつのポイントに、“アイドルとプロデューサーの距離感”があります。恋愛関係までは踏み込まず、その手前の部分の“恋をする”という感じでしょうか。プロデューサーとして女の子を導いて、熱烈なファンではあるけれども、恋愛にはならない。そういう女の子との距離感は、特に気をつかいましたね。恋愛ゲームになってしまわないよう、気をつけました

2007年1月29日 見た目だけじゃない! すべてにおいてパワーアップした孤高のアイドル育成シミュレーションXbox 360「アイドルマスター」

――AC版は稼動当初からハードなイメージがありました。見た目とのギャップが面白いな、と思っていましたが(笑)

石原 そうですね。“ギャルゲー”ユーザーにはあれが不評だった気がしますね(笑)。

坂上 作っている側からすると、もともと“ギャルゲー”といった感覚はあまりなかったんですよね。

石原 見た目からノベル系ゲームのイメージで遊ばれた方が、「勝てねえよ! すぐ終わるよ!」といった感じで……。

坂上 僕の最初の印象は、 “育成ゲームだ”と思ったんですけどね。しかし、ゲーム的にキャラクタが前面に出てくるので……。そこは素直に受け止めて。育成と対戦のハードさを残しながらも、お客さんのもっとキャラクタと遊びたい、ゆっくり遊びたいという要望が家庭用でのメインになってくるのかな、と考えたんですよね。

ただ、AC版でハードに遊んでくれてきたユーザーさんのことも忘れていませんから、そこはちゃんと残しておこうと。これをひとまとめにすると、“間口を広げた”ということになっちゃうんですけど(笑)。

(中略)

石原 システム的には複雑にできるんですけどね……突き詰めるとプレーヤーが社長のゲームになりそうですよね。事務所経営ゲーム。そうすると女の子との距離が遠ざかってしまうと思うんですよ。

今のマネージャーとプロデューサーの間ぐらいの位置からすると、ちょっと遠くなってしまう。このゲームでは今ぐらいの距離が一番いいんじゃないかと思うんですよね。

2007年06月26日 見た目はギャルゲー、でもデートはしない。ヒットした理由は意外なところに!?――『アイドルマスター』開発者インタビュー

――いわゆる「ギャルゲー」とは趣が違うんですね。

石原:「アイドルをうまく育てて業界でのし上がれ!」というゲームだったんで、「えっ、こんなに難しいの!?」という声はよく聞きましたね。逆に普段この手のゲームをやらない、シューティングや格闘ゲームなどのアーケードゲームを中心に遊んでいる硬派なゲームファンの人たちがハマッていたという現象もありました。「まさか自分がハマるとは思わなかった」という人も多かったようで、そういう意味では新たなお客さんを開拓できたのはよかったと思います。

――製作にあたって気をつけた点はありましたか?

坂上:アーケードの雰囲気は極力残すようにしました。僕が最初に『アイドルマスター』を遊んだときは、女の子との距離感が絶妙だと思ったんです。女の子と仲良くなって最後に告白、という結果になる恋愛ゲームなどとは違って、「お互いに立場をわきまえた、ある程度距離感のある関係」というものを常に考えていましたね。そのうえで家庭用の新キャラクターはプレーヤーのことをほかのキャラクター以上に好きになってくれるような設定にしたりと、バランスを考えながら作っていました。

2008年02月27日 【特別企画】アイドルマスター ライブフォーユー!誕生秘話(後編)

―― キャラクター自体にもいろいろと複線が多いですからね。例えば雪歩の実家とか……

坂上氏:アイドルマスターって、キャラクターとプロデューサーの両方で目指しているものが違ってたりするんで、決して2人が仲良くなることが目標ではないんですね。なので、できるだけ接触を少なめにしているんです。でも、逆にそういったところが人との関わり合いに近くなっているのかな、と。

2009年01月23日 アイマスの原点は猿? アイマスプロデューサー坂上氏インタビュー

坂上:(略)基本的にアイマスはカオスなんです。仕事内容もカオスなんですけど(笑い)。

坂上:よくギャルゲーといわれるんですが、実はアイドルマスターは恋愛にならないんですよ。女の子はトップアイドル、ユーザーはトッププロデューサーをお互い目指す。基本的にはお互いがプロなんで。だからアイマスはアイドルとプロデューサー(ユーザー)の立場での距離感が面白い。普通はギャルゲーっていうと最後は恋愛でしょって感じなんですけど、そこは一線を引いています。

2014年04月24日 【セミナー取材】「プロデューサーさんっ!シナリオですよ、シナリオ!!」…『アイドルマスター』の人気の秘密を“シナリオの観点”から大解剖すると?

アイドルと接点が持てるゲームとはいえ、決して直接口説くことはなく、あくまでもその子を輝かせるためのゲーム概要にも人気の要因として触れた。

オマケ

○梶岡D

アイマスのファンも気がついたらアイドルを愛でる人が多数派になってきたなぁ。プロデュースするっていうニッチな立ち位置に縛られるのを楽しむ人が減ったというか。これも時代の流れなんだろうなぁ。

2017年4月19日

これに関して言えば、小山Pのアイドルを愛でる設計に坂上Pが原点回帰を掲げてOFAからプラチナスターズに繋げたように見えます。引き金になったのは、アイマス2での石原Dの対決路線の拒絶によるものだと思いますが、一方でモバイルでは2で否定された仲間とのユニット対決、CDデビュー等を賭けた総選挙のような仕組みが大成功している側面もあります。

時代の流れと言うと変わったのはプレイヤーに読めますが、新コンテンツでファン投票による競争原理が受け入れられるようになった一方で、従来の765コンテンツでプロデュースによる競争原理が否定されてきたのは、結果としてアイマス公式自らが作った流れではないでしょうか。

  • アーケード:週リミットあり、競技性重視、勝たせたいアイドル専任
  • 家庭用ゲーム機:徐々に週リミット排除、シナリオ重視、全員担当へ誘導


全員プロデュースという実績(ノルマ)による誘導で、「ギャルゲー攻略」するモチベーションに近い変化は梶岡D在籍時から水面下で促されてきました。

関連:アイマスとライバル