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小ネタ/アイマスと持ち歌

Last-modified: 2018-09-28 (金) 00:10:46 (80d)
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アイマスと持ち歌

この記事の主旨

あるCD*1のリリースをきっかけに、アイマスと持ち歌というテーマが話題になりましたが…
持ち歌の共通認識が定かでないまま発端となったツイートへの感情的反発で、持ち歌の存在自体に否定的な空気が支配的になりました。

しかし、持ち歌がカバーされる事の抵抗には共感できませんでしたが、一方でモバマスシリーズの持ち歌の考え方には
アイマスDSもまた持ち歌には特別な背景があるので持ち歌として一定の尊重が欲しいというエゴは理解できました。
例えば、『ALIVE』が日高舞の持ち歌でなければ、日高愛が歌う意味は難しい歌を歌えるようになった!という無味乾燥なものになります。

アイマスのアイドルにとって歌が飾りで、限りなく存在していないもの同然になってしまう前に振り返ることにしました。
シリーズごとに持ち歌という言葉の定義が異なる背景を整理すれば、持ち歌の存在自体を否定して世界を閉じてしまうのではなく、
これは作品中専用曲やCDデビューが初出の持ち歌、こっちはカバーという話題を広げることができるのではないでしょうか。

大前提の確認

持ち歌は存在する、問題は出自が違うので独占的だったりなかったり、物語があったりなかったり、振れ幅があることです。
しかし、持ち歌が存在する前提から確認したい人もいると思うので簡単にまとめておきます。

事実1「持ち歌の意識は初代アーケードから存在する」

原理主義的に遡ると、持ち歌はシリーズ最初から存在していたという結論になります。
ただ、制作上の都合、曲数を決めなければいけない、曲のイメージを作らないといけない、担当者を決めないといけない…
作業を見積もる目安として数字が先行した印象ですが、アーケード当時の開発者インタビューに明言されています。
最初から全員が同じ歌を収録してあるし、ユニット編成でも鳴るので「物語中の専用曲」として機能していません。
しかし一方で、担当アイドルをイメージして制作されており、パラメータに反映されるのも事実です。

アイマス開発者インタビュー(2005年11月11日発行,アイドルマスタープラチナアルバム P.67)

――曲はいつごろから収録されたのですか?

小山 最初から「レッスンをやってアイドル育成→ネットワークで対戦」という

流れは決まっていたんですね。一人持ち歌が一曲あって、同じ曲をキャラごとに

歌うのも決めていたので……そうすると、一人10曲歌うことになるので、

2002年の年末から曲を作り始めました。

石原 最初は、いきなりユニットから始める形で考えていました。「女三人寄ると

かしましい」感じで、そこでシステムのバランスを取ろうと。ただ、いきなり三人を

操作するのは難しい、ということになり一人からだんだん増えていく今の形に落ち着きました。

深見 一人一曲だけの持ち歌の形だったんですが、そこから発展させ基板の性能を

フルに使って、三人でユニゾンして全曲歌う形まで増やしたんですね。

アイドルマスターコンポーザーインタビュー(2005年11月11日発行,アイドルマスタープラチナアルバム P.71)

――キャラクターごとの持ち歌は、どのように割り振りが決まったんですか?

中川 誰がどのキャラを担当するか、希望を聞いていったんですよね。

石川 それぞれのテーマカラーがあって、それに沿って曲は作っていきました。

佐々木 椎名は目立ちたがりやだから、アカレンジャーとアオレンジャーを取って(笑)。

椎名 春香が「赤」、千早が「青」だったんですよ。


初代Xboxの頃には楽曲制作に持ち歌という意識を持ち込まなくなっていたようです。

“星井美希”誕生秘話 (2007年04月23日発行,アイドルマスタープレシャスアルバム P.156)

――『relations』が美希の持ち歌に決まるまでの経緯というか、決まったときの感想を教えてください。

佐々木 最初からなんとなく決まってましたね。でも、持ち歌にするからには、「それなりにがんばって

もらわないと!」というのがコンポーザー側(作曲は中川浩二氏)にもありました。

長谷川 曲が格好よかったので、こちらも格好よく歌わなきゃと思って気合を入れました。

ちゃんと歌えないと「美希の持ち歌にしてあげないよ?」っていう空気を感じたので必死でした(笑)

佐々木 長谷川さんよりも先に『relations』を録っていた人っていたんでしたっけ?

長谷川 いました。私が歌を録っているときに、みなさんが新曲の歌を収録しはじめていて……。

佐々木 基本的にはキャラの持ち歌ってあるじゃないですか、ひとり1曲ずつ。各自、担当曲を最初に

録るようにしているんですけど……今回は違ったんだっけ?

長谷川 違いました、はい。

――曲の収録の際には、覚醒前・覚醒後というのはとくに意識されていないのですか?

佐々木 『relations』に関して言えば、明らかに覚醒後のための曲だと思います。

覚醒後を意識して歌っているのはその1曲ぐらいですかね。曲作りに関しては、あまり今回は

“ゲームの世界観”っていうのは気にしていないっていうか……アーケード版のときはシナリオと曲が

リンクしていたのですが、今回の新曲はそういうのは希薄かもしれません。

事実2「アイマスDSは専用曲としての持ち歌を獲得する物語」

アイマスDSには色々な評価視点がありますが、全シリーズ中で最もアイドルにとっての歌の意味が重要な作品と言えます。
「この歌で勝つ、誰よりも好き」という気持ちを、楽曲変更出来ず、他アイドルは物語中で歌えないシステムで表現しています。
物語と紐づいて自由度を引換えにアイドルと歌の関係を描く仕掛けは「持ち歌システム」と読んで差し支えないでしょう。
DSを体験したあとに他シリーズ作品に戻った時、アイドルの物語を感じる瞬間が増えることに気づくでしょうか?

ブンケイP

アケマスから765プロにいるので、「”蒼い鳥”ですら千早の『専用曲』、ではない*2」所からスタートしているので、先日のハッチポッチの様に何が出てくるかわからないのは実に面白く興味深い。てか好き。しかし一方で―(続く)

23:17 - 2017年12月8日

ブンケイP

しかし一方で、歌い手を固定しアテ書きした曲を否定するわけではない。「それはそういうプロデュースを選んだのだ」と考える。それもまた、良し。 各Pの趣味嗜好あってこそのアイマス世界。同僚同士、切磋琢磨していこうではないか。

23:20 - 2017年12月8日

ブンケイP

アイマスで持ち歌を確固たるモノに固定したのって、ディアリースターズからじゃないですか。そこから踏まえて考えると、持ち歌を持ち歌たらしめるのは「物語」なのではないかなと。「物語」は歌と歌い手に「理由」を与えます。たとえ他者のカバーであっても、そこに「物語」があれば理由足りうると

ゲームシステム上『物語』を読ませられるディアリースターズであらばこそ、でございました。

23:55 - 2017年12月8日

事実3「アイマス2には公式の持ち歌システムが存在した」

簡単なアイドル固有の演出が入る程度に過ぎませんが、それでもアイドルと持ち歌の関係を読み取ることが出来ます。
しかし物語の局面と結びつけられないので、簡単な演出が見られるだけでは感情移入が難しかったと思います。
システムとして明文化されると「見なければ勿体無い」というノルマ意識が強くなってしまうこともあるのかもしれません。
OFAではアイドルと結びついた持ち歌としてではなくアクセサリー的な効果になりました。

2014年05月12日 持ち歌はあるの? ちょっと気になる『ワンフォーオール』の情報をお届け

持ち歌はないものの、楽曲による補正は存在します。楽曲をお仕事で使いはじめたり、何度も使い込むことによって、

“FRESH”や“KEEP”、“BREAK”といった状態になる場合があり、ステージのお仕事(ライブ、オーディション、フェス)を行うときに、

1.3倍や1.5倍といった補正がかかるのです。プロデューサーランクが上がって社長から楽曲をもらってもすぐには使わず、大事な局面まで取っておくといいでしょう。

初代の頃は裏設定的な概念だった「持ち歌」がアイマスDSを経てアイマス2ではアイドルとのコミュニケーションを左右する
パラメーターとして明文化されましたが、2と同年(2011年)開始のシンデレラガールズでシリーズ展開が多様化した辺りから、
「ゲーム中の総選挙で声帯と歌を担当アイドルと勝ち取った」報酬としての「持ち歌」が台頭してきました。

2の頃、公平第一の765ASを中心にした総選挙企画が失敗した事実を鑑みれば本来受け入れられない経緯の「持ち歌」の存在。
一方、声帯のない担当アイドルさえいる不公平な世界で相対的に独占的「持ち歌」にしかなりえない現実。
同じ言葉に異なる経緯で定着してきた別々の概念が共存した状態になっているので、どちらが正解という議論は不毛です。
他アイドルのカバーを否定する言動をなだめるまでは良いとしても、持ち歌の定義まで否定する必要はありません。

来歴の整理

前項でアイマスには持ち歌の概念が存在することと、家庭用とモバマスでは成立過程が異なることを確認しました。
次は持ち歌と認識されている曲が持ち歌と呼ばれるまでになる傾向を更に細かく分類してみることにします。

※ゲームを中心に「持ち歌とは特定のアイドル・ユニット専用か、それに近い認識がされている曲」とします。
※アイマスDS攻略本がファミ通からしか出版されていない都合上、書籍情報の比較はファミ通系列に限定します。

得意曲

(ゲーム攻略上の効果、好感度・イメージレベル補正、物語と無関係で強制されない)
アーケード、Xbox360のアイドルマスターの各攻略本、プラチナアルバム、プレシャスアルバムで得意曲と表記されています。
ただし、アーケード攻略本プラチナアルバムの開発者インタビューにて「一人一曲持ち歌ありき」とされておりますが
相性が良い組み合わせはあるものの、それ以上の効果や制約はなくプロデュース方針次第で誰にでも歌わせられます。
2では公式の持ち歌システムとしてラッキースター出現アップ効果の他に、特別な会話演出が付きました。

NPC・ライバル曲

(プロデュースアイドルは歌えない、961、765 竜宮小町、876、346など)
ランキングで目にする顔のないNPCの曲名だけ存在して音源は無い楽曲、ゲスト出演するアイドルの楽曲は
各キャラ専用曲(一部DLCでプレイヤーキャラ対応)であり、少なくともその作品中で独占的な持ち歌と位置づけられます。
ライバル概念の初出SPのプロジェクトフェアリー『オーバーマスター』、2の竜宮小町『SMOKY THRILL』『七彩ボタン(PS3)』、
ジュピター『Alice or Guilty』『恋をはじめよう』、OFAの玲音『アクセルレーション』『アルティメットアイズ』、
2018年時点で最新作SSの詩花『Blooming Star』と歴代961楽曲の『オーバーマスター』『アクセルレーション』など。
『オーバーマスター』はDLCにてプレイヤーキャラである765プロ対応可能ですが、プロジェクトフェアリーの場合には
存在しない2以降はともかく、SPにおいてさえ後述のソロCD企画曲の扱いと同じなので961楽曲と言っていいのかどうか微妙です。
竜宮小町の持ち歌(ユニット曲)だったのは2のみで、OFA以降はDLCの全員の楽曲という扱いになっています。

ラスト楽曲・決め歌

(楽曲自体は得意曲と同じ、お別れコンサートで歌わせるシステムがないシリーズでも意識して歌わせるPもいる)
お別れコンサートのあるシステムで最後に設定する歌は、イメージではなく信頼度のアップに役立ちました。
一方でエンディング分岐は会場選択で決まるので、アイドルのラストを出来るだけ「大きな箱」で成功させなければ
プロデューサーの評価は上がらないという現実もつきつけられたりします。
最近のシリーズではアイドルとのお別れが廃止されていますが、今でも決め歌として意識するPもいるようです。

2014年05月02日 『アイマス ワンフォーオール』をブンケイPがレビュー! 秋月律子のプロデュースを通して『アイマス』の新作を評価

続いてはオーディションに挑戦。その前に、アイドルが歌う楽曲を選択する必要がある。

選択可能な楽曲の中には、律子の持ち歌である『いっぱいいっぱい』*3も入っていたが、

ブンケイPは「この曲はゲームが進んで人気が出てきたところで、決め歌として使いたい」というこだわりから、あえてスルーした。

そして「この曲ならきっと、アピールのタイミングが取りやすいはず」ということで、『GO MY WAY!!』を選択した。

ストーリー固定ラスト楽曲

(シナリオ後半使用可能になると同時に固定され、ステージモード以外で別のアイドルは歌えない専用曲)
DSではストーリーの中でランクが上がるまでは歌えない、最後まで外せない楽曲があり、他のアイドルでは物語中に歌えません。
音源は収録されているので、該当するアイドルのシナリオクリア後にステージ鑑賞モードでは使用できますが、
プロデューサーが主人公でアイドルを輝かせることが目的のゲームであれば到底採用できないシステムだったはずです。
アイドル視点のDSは「輝かせる」から「輝きたい」であり歌が中心になっているシリーズ唯一の作品です。

ソロCD企画曲

(ゲーム未収録のアイドルイメージCD曲、収録されても別アイドル版はDLCで)
主にイメージソングとしてCDに収録されている楽曲で、DSなら『ハッピース』『はなまる』『クロスワード』『秘密の珊瑚礁』がこれに該当します。
SPではMASTER ARTIST曲がDLCで追加しない状態では専用曲ですが、別途購入することで別アイドルも歌えるようになっています。*4
2ではMASTER ARTIST2の曲からゲームに採用していますが、出自がソロなので「アテ書き」に近い持ち歌となっています。

CDデビュー曲

(総選挙で勝ち抜いた報酬の新曲、リリースに至る経緯がデビューの疑似体験になっている)
モバマスは全員公平ではない、ユニットが次々生まれる、カードだから髪型などの記号も大胆に変わる等の革新を持ち込みましたが、
声帯実装(Pの鼓膜実装ともいう)を巡って、担当に持ち歌が付与される干渉可能なために思い入れも強くなる傾向があると思います。
アニメではユニットを編成してCDをリリースしてくる大所帯の事務所を活かした自由な展開は他のシリーズの追従を許しません。
前述のソロCD曲とは商品展開は同じでも経緯や意味が異なるので区別しています。

アニメ挿入曲

(アニメに際して書き下ろされて、主にED楽曲として使用された)
DLCにてゲームに実装されるとシステムに合わせて得意曲となったり、CDに収録されるとソロCD企画曲に近くなったりします。
天海春香『さよならをありがとう』、菊地真『チアリングレター』、星井美希『マリオネットの心』、我那覇響『Brand New Day!』など。
DSのアニメ化を考えると『ハッピース』が流れる場面が見える実質ED曲とよく言われています。

劇中ハミング曲

(劇中の印象に残るステージ外のプライベートなどから定着したもの)
持ち歌と言えるのか微妙な、正式なタイトルもないのに印象に残ったりして仮称付きで持ち歌扱いの歌があります。
DSでは水谷絵理の『ぬこぬこソング』モバマスでは宮本フレデリカ『フレソング』などがそれにあてはまります。

持ち歌という言葉は同じでも、専用か汎用かの結びつきの強度が異なるものが混在していることが判ると思います。
結びつきが強い持ち歌と、弱い持ち歌では同じレベルで扱おうとすると話が通じなくなるのも当然かもしれません。
「どの楽曲が誰の持ち歌か」の前に「その楽曲が使用された時点の思い入れの相違」があるからです。

持ち歌ではない楽曲についても少しだけ整理しておきます。

カバー曲その他

イベント・マンガ・企画CD・声優繋がり・二次創作での派生、イベントでカバーされた『Dazzling World』などは
作品中には出てこない組合せで、その後フィードバックはありませんが、秋月涼の持ち歌という背景があるからこそ
律子が歌うという背景を透視して振り付けが完璧なところも合わせて感動を呼びました。

ブンケイP

可能な方は、是非、昨日/今日の思いでが薄れないうちに、DSかPS3で涼のDazzling Worldをご覧ください。振り付け。そこに貴方は、神の凄さを知るかもしれません。

22:29 - 2013年9月22

参考:THE IDOLM@STER 8th ANNIVERSARY 幕張 若林直美×秋月涼 Dazzling Worldを比較してみた

日高愛の『ALIVE』も作中の物語を重視すると日高舞から継承された持ち歌、カバーといえばカバーです。
公式非公式の差はありますが、誰かの持ち歌のイメージを投影しつつ物語を歌い継ぎたい意思がカバーの価値でしょうか。
元のアイドルと持ち歌に対する背景を補強できるかどうかで評価が分かれる可能性があります。
例えば『YOUR SONG』は765ASが現実のアーティストの持ち歌をカバーしたアルバムで、当初の関連商品としては好評でしたが、
シリーズの人気が安定していくにつれて世界観にそぐわず不要になり、相乗効果もあまり無かったと思われます。

今もカバー曲が入る事がありますが、アイドルのキャラクターCDでなく中の人のネット番組やコミカライズから企画されたCD収録の都合で新曲という訳にもいかず中の人がカラオケしてるという印象があります。

主題歌

ゲームの同名曲(『THE IDOLM@ASTER』)なのか、ゲームタイトル中の全員曲(『“HELLO!!”』など)なのか、
ゲームタイトル発表時のPV曲なのか、アニメOPなのか…呼称やイメージする歌が異なる言葉ですが持ち歌のような混乱はありません。

まとめ

「持ち歌」の定義がどの分類に基づいているのか、楽曲ごとにマッピングしやすくなったと思います。
それぞれ結びつきの強さが異なることを意識することで、「持ち歌は存在しない」と全否定されるべきではなく、
その歌とアイドルとの縁の深さについて語り合うための概念であると理解していただけるでしょうか。
アイマス公式には、もっと「持ち歌」であることを差別化していって欲しいなと思います。


*1 『Tulip』 ニコ百 / pixiv百科
*2 アーケード時代から如月千早の持ち歌。ニコ百
*3 『MASTER ARTIST 10 秋月律子』収録曲。ニコ百
*4 2018年7月31日で配信終了。 Blog / Tweet