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開発者インタビュー3

Last-modified: 2017-11-06 (月) 13:44:33 (406d)
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発売から5年以上が経ちましたが、ディアリースターズに関する新しい公式情報はありませんが、他作品へのゲスト出演などで最近になって興味を持つ人が一定数出ている状況です。

開発状況を知る貴重な一次資料は入手が困難になっており、当時の憶測やデマに基づく解釈が定着する恐れがあり、誤解に基づく情報で定着するのはシリーズ・作品にとっても、新しいファンにとっても良くない事と思います。

以下は電撃マ王2009年11月号(2009年9月26日発売、関連記事12)から開発者コメントとインタビューの抜粋です。

STAFF COMMENT

発売後インタビューではプレイ途中、完了した読者を想定した踏み込んだ内容になっています。
一方、これからプレイする読者を想定したアピールポイントが各アイドル毎の序盤ダイジェストと
名(迷)セリフ集、シナリオの重要人物の紹介記事と共に掲載されています。

日高愛:元気を分けてもらえるハズ!

愛は困難が提示されて、それを乗り越えるという王道の物語です。

今「アイドルになってみたい!」と思っていたり、過去に「アイドルになりたかったなぁ」

って夢見ていた女性ユーザーにオススメ。『アイマスDS』の背骨になるようなまっすぐな

物語になっているので、一番シンプルに楽しんでもらえるのでは。今までの『アイマス』で、

「やよいの顔を見ていると、生きる気力がわいてくるよ!」という人にもぜひ!(ブンケイP)

水谷絵理:絵理の成長を見守ってください

絵理は引きこもりからスタートするんですが、ゲームを進めるごとに「感情が外に出てきたな」

と実感できるキャラです。そんな彼女の成長を見守って、楽しんでもらえればと(梶岡氏)/

クリエイター気質のオタクな人にオススメ。と想定していたら、実際にいろいろなゲームメディア

の人たちが、僕の思惑通りに絵理に引っかかってくれて「にひひっ♪」な感じです。

成長がわかりやすく伝わる物語になっていますよ。(ブンケイP)

秋月涼:コメディタッチなシナリオです

やっぱりコミカルなお話が好きな人向けですね。オススメは真とのイベント(2度目もありますよ)。

2人で「ロミオとジュリエット」を演じることになるんですが……と聞いただけで、

いろいろな妄想がふくらむと思いますが(笑)。(梶岡氏)/

私もそのイベントはオススメです。基本的にそういったコメディ路線ですが、ちゃんと彼なりの

成長がありますよ。あと、桜井夢子ちゃんが気になるアナタにもオススメ!(ブンケイP)

CREATOR INTERVIEW (TOSHIHIKO KAJIOKA + BUNKEI-P)

コーナー冒頭で

『アイマスDS』開発陣のキーマンである梶岡ディレクターとブンケイPを直撃。

発売後だから話せる開発秘話や、アイドルたちが生まれるまでの過程に注目だ!!

と謳っているように、既にプレイ済の読者向けのインタビューとして踏み込んだ内容です。
そのため攻略本(デリシャスアルバム)のインタビューと被る部分もあります。

PROFILE

  • 梶岡俊彦氏

    『アイマスDS』のディレクター。坂上陽三氏に声をかけられ、Xbox360版の開発から『アイマス』

    チームに参加することに。無類のカメラ&アイドル好きであり、そのこだわりはTV出演パート

    などにも発揮されている。

  • ブンケイP

    業務用・家庭用のレーシングゲーム開発などを経て、'07年より『アイマス』チームに合流。

    シリーズ全体の広報・宣伝活動を担当しているほか、『アイマスDS』ではプロデューサーとして

    設定の基礎部分から開発にかかわっている。

より多くの人に『アイマス』を!

――まずは『アイマスDS』の開発スタート時期を教えてください。

ブンケイP:発表は5月の4周年ライブの頃でしたが、2月に発売された『アイマスSP』から
少し遅れて開発がはじまり、ほぼ同時進行で作っていました。

――ハードにDSを選んだ理由は?

ブンケイP:それは「にわとりが先かタマゴが先か…」みたいな話ですかね。
まずはじめに、より『アイマス』を広げていくにはどうしたらいいか、ということを考えていて、
それと並行してDSならこういうものが作れるということも考えていて。
その2つの考えが行ったり来たりしながら、形作られていったんです。

――より『アイマス』を多くの人に知ってもらうために、876プロを立ち上げたということですね。

梶岡俊彦氏(以下敬称略):『アイマス』は歴史の積み重ねで、少し新規ユーザーが入りづらい
というイメージもついてしまったんですよね。

ブンケイP:乗り遅れたっていう人たちが、濃いファンと同じスタートラインに立てるように、
876プロ立ち上げは初期から決めていました。

梶岡:765プロに新人アイドルが入るということもできたんですが、その場合、新人アイドルは
765プロのアイドルを知っていたり、あこがれていることになると思うんです。
それだと、驚きを含んだ新しい出会いを演出しづらいなと。なるべくいろいろな形で新人アイドル
と先輩アイドルを出会わせたかったんです。普通に事務所で会ったり、オーディションのライバル
で会ったり……。これも876プロという事務所を作った狙いの1つですね。

――今回、ジャンルがAVGになり、プレイの流れも大きく変わりました。ジャンルの変更は、勇気のいることだったんではないでしょうか?

ブンケイP:正直プレッシャーはありました。でも、今回『アイマス』をより広げていくっていう
命題があって、新事務所、新アイドルに登場してもらった。ここで、新しいジャンルに挑戦することに
くじけてしまったら、すべてがひっくり返ってしまうので、そこは勇気を持って変えていきました。

――AVGといっても、選択肢を選びながら文章を読み進めるだけ、というシンプルなものもあります。
一方の『アイマスDS』には、レッスンやオーディションといったシステムがあります。これらをなくさずに、AVGに組み込んだ狙いは?

梶岡:一言でいうなら「『アイマス』らしさの継承」ですよね。これまでのユーザーさんに
「これは『アイマス』だよね」って認識してもらううえで、ある程度のシステムの継承は
必要だなと考えました。逆に、『アイマスDS』からシリーズに入ってもらえた新規ユーザーさんとも、
これからともに歩んでいきたいじゃないですか。そういった人たちが、これまでのXbox360版や
『アイマスSP』に興味を持ったときに「レッスンやオーディションがある!これは自分の知ってる
『アイマス』なんだな」って安心してもらえるように、共通性を持たせたかったんです。

ブンケイP:『アイマス』の舞台である芸能界という世界観を演出するうえでも、レッスンなどの
場面は必要になってくると思いますしね。

――本作の開発を語るうえで『アイマスSP』が同時進行だったというのは1つのポイントでしょうか?

梶岡:大きく影響を受けたというわけではないのですが、「アイドルアルティメイト」という世界観の
広がりは連動して取り入れました。この大会を『アイマス』世界のトップにしたかったんです。
なので、新人アイドルの3人があこがれる大会として登場させました。

――プロデューサー不在というのも、『アイマスDS』の特徴ですよね。

ブンケイP:僕の場合は1人の『アイマス』ファンでもあるので、プロデューサーを登場させないことは、
少し恐かったですね。プロデューサーとしてアイドルを育て、関係を深めていくというのが、
ほかのゲームにはない『アイマス』の魅力の1つですから。ただ、視点をアイドル自身に持っていくことで
描ける、新しい人間関係もあると思うんです。

梶岡:そうですね。プロデューサーとアイドルという関係は、これまで自信を持って作ってきたものです。
今までの『アイマス』は、この関係を作りたいという考えが前提にあって組み上げたので、
あのようなSLGになったんです。でも今回は、AVGとして作ろうという考えが前提にあり、
それを突き詰めていくとプロデューサー視点というのは、ベストではないんじゃないかと考えました。
AVGはお話をふくらまさなければなりません。そう考えると、先輩・後輩、ライバル、協力してくれる人などとの、
人間関係というのが1つ重要になるんです。今回はプロデューサーを介さずに、直接アイドルとほかの人との
関係を描くべきと考えたのが、プロデューサー不在という結論に至るまでの理由ですね。

――ゲーム作りの発想の順番が、これまでと違うんですね。でも、愛たちをプロデュースしたいという願望もふくらんできますよね。

ブンケイP:『アイマスDS』をプレイして「もうガマンできん!俺に涼ちんをプロデュースさせろ!」
って思ってもらえたら、それはある意味成功ですよね。本当に『アイマスDS』は、いろんなチャレンジを
しているので、ユーザーからの反応に今からドキドキしています。

シナリオ&キャラの完成までの道のり

――今回3人分のシナリオが楽しめますが、それぞれにテーマが?

ブンケイP:もちろん異なるテーマを用意していますし、それがキャラのデザインにも反映されています。
もっと話すと、各シナリオを届けたいユーザーさんまで見すえてつくっています。

梶岡:最初に作ったのは、大まかなキャラの方向性からですね。

ブンケイP:キャラの方向性ができた順番は、愛→絵理→涼の順番ですね。極端な「動」の愛と
極端な「静」の絵理を置いたとき、間にいられるキャラとして涼が生まれたという感じです。
涼については、男の子という設定そのものがシナリオに直結しているので、シナリオは早い段階に
まとまりました。シナリオは涼→愛→絵理の順番。デザインは涼→絵理→愛の順番で固まりました。

――各キャラのシナリオのテーマを教えてください。

梶岡:愛のテーマは「親子・あこがれとコンプレックス」です。暗くなりそうなテーマですけど、
前向きなキャラクターの愛なので、そうならずに描けました。続いて絵理は「静」のキャラなので、
引きこもっているところからシナリオをはじめました。アイドルって、1日に何千人と握手したり、
とにかく人と接する仕事じゃないですか。だから、一番人と接するのが苦手だった子が、
一番人と接する仕事をする――そこから「人と接すること・仲間」の大切さを伝えられればなと。
それに加えて、ミステリーというか、謎解き要素を入れてみました。涼は……設定がシナリオ
みたいなものですからね(笑)。ただ、「女の子のフリをしてファンをだまして……」みたいに
悩む姿を描くと暗くなってしまうので、コミカルなシナリオにしようと心がけました。

ブンケイP:涼については「バレないわけないだろ」とか考えずに、楽しんでほしいですね。
周囲に振り回されたり背中を押してもらったりしながら、だんだんと自分の軸で自分の判断で
進んでいけるようになるという「人間的成長」ってやつです。

梶岡:カッコイイですね(笑)。そういう意味では、ほかの2人が成長していく姿というのも、
共通して描かれていますよ。まぁ、真と話しているだけで楽しいじゃん!とか、難しく考えないで
いいと思います。いろんなキャラとのやりとりを妄想してもらいたいですね(笑)。そういう種はまいてあるので。

――ところで涼が女の子だった……という時期はなかったんでしょうか。

ブンケイP:ない!

梶岡:設定最初期から男の子でした。愛と絵理の設定を考えて、もう1人どうしようかというときに、
反対されるのを覚悟で「男の子ってどうですかね」ってブンケイさんに話したら「いいんじゃない!」
ってなって。「あ、いいんだ!」って(笑)。

ブンケイP:この話になると、「今の流行を取り入れたんですか?」と聞かれることもあるんですけど、
少なくとも涼の設定を考えたときには、まったく頭になかったですね。

梶岡:まだ女装男子とか、草食系とか、そういう言葉が広まる前でしたからね。あと開発スタッフに、
プロデューサーを登場させないことを伝えるより、涼=男の子という設定を伝えることのほうが恐かったです。

――反対されるんじゃないかと(笑)。

梶岡:これには作戦を立てまして。キャラクターデザインの田宮(清高氏)に先に涼のイラストを
描かせておいたんです。それで絵を見せながら設定を伝えると「かわいいからアリかな」って
スタッフもみんな納得してくれて(笑)。

ブンケイP:かわいいは正義だなぁ。

――田宮さんに涼のイラストを発注したとき、修正も多かったのでは?

梶岡:いや、ほとんど最初にもらったものですね。愛と絵理は描き直しが多かったんですが。
こちらからの発注としては「メガネをかけたら男の子、メガネをとったら女の子に見えるキャラ」と伝えました。

――では、絵理と愛のデザインについてのオーダーは?

梶岡:絵理は「引っ込み思案な感じの美人系アイドル」とリクエストしました。アイドルはかわいい系と
美人系に分かれると思うんですが、絵理は美人系。そうしたら田宮さんがノリノリになって
「自分の一番好みの女の子を描いた!」って言って、第1案を持ってきてくれました。

ブンケイP:田宮君はものすごい窪岡(俊之)さんのファンなんですよ。窪岡さんの過去作の、
青髪で少し陰があって……っていうヒロインも超好きっぽいです。

梶岡:だから、OK出したあとにも何度も「納得できないので、やはりこっちで」って描き直して
持ってきて、完成までに時間がかかったと(笑)。愛については、小さくて元気な子にしたかったので
「コロコロっとした丸めの子を描いて」という少し抽象的なオーダーをしました。

ブンケイP:僕が初めて愛のデザインを見たときは、このボディバランスがスゴくイイなぁって思いました。
13歳で手足の伸び切っていない感じの、微妙なアンバランスさがよくできてるんだよねぇ……(ニコニコ)。

梶岡:最初の頃は少し顔がお姉さんで「もう少し幼く」してもらったり、表情の年齢の上げ下げはしましたが、
体のバランスはバッチリでしたね。

――じつは以前から気になっていたんですが、アイドルのスリーサイズって、いつ決めているんですか?

梶岡:すごいあとです。まぁ、決めているというか計ってるんですよ(笑)!
プロフィールといえば、涼が男の子という設定の発表前に、54kgという体重でその秘密に気づいた人たち
がいて驚きました。こちらとしては、体重をヒントとして仕込んでいたというわけではないんですけど。

ブンケイP:あの限られた情報で涼の秘密を見抜くとは、我らが765プロの精鋭プロデューサーたちの眼力恐るべし……ですね。

――これも涼についてなのですが、律子のいとこという設定は、いつどのように決まったのでしょうか?

梶岡:さっきも話したんですが、765プロと876プロのアイドルのいろいろな人間関係を描きたいと思ったときに、
旧知の仲がいてもいいなと。いとこなら、今までの作品で話にあがってこなくても不思議じゃないし、
今回登場させたらお互いのプロフィールを最初から知っていると描いてもおかしくない。
そういうちょうどいい距離の関係がいとこだったんです。シナリオ面でいえば、涼の秘密を知っている
キャラが1人ぐらいは765プロにいてもいいかなと思い、律子が選ばれました。

ブンケイP:765プロの子で、女装デビューを受け入れられて、その秘密を話さずにいられるキャラが、
律子以外いないだろうというのもありました。春香だったらウッカリしゃべっちゃうだろうし……とか
考えていくと、律子しかいないなって。キャラデザインをする段階ではもう決まっていたので、
律子と同じ2本のハネた髪、メガネ、クロスのアクセサリーなどはそろえました。

――では、サブキャラについてお話をうかがいたいと思います。今回サブキャラの出番や人数も多く、絵があったりと力が入ってますよね。

梶岡:それは意図的なものですよ。今回AVGとして楽しめるものを作ろうとすると、いろいろなシチュエーションを
描くために、どうしてもサブキャラが必要だったんです。

ブンケイP:アイドル視点で自分中心の肉親、ライバル、先輩などなど、芸能界の広がりを描きたかったんですよね。
で、サブキャラが登場したときにシルエットというのは、かなりさびしいなと。ただ、社長だけは
この世界のオキテに従って、シルエットになってもらいました。

――サブキャラのデザインで苦労したことはありますか?

梶岡:夢子はサクッとまとまりました。サイネリアは初期の絵を見て、「もうちょっとイタイ子にしよう」と
リクエストしました。イタイ子って大好きなんですよ(笑)。彼女にもいろいろなバックグラウンドがあるので、
その辺りをデザインに反映させました。かわいすぎてはダメということで、そばかすを付けたり。
尾崎は恐くなりすぎていたので、若さを加えました。で、舞は愛の肉親なので、「愛が成長したら
こうなりそうだなぁ」というイメージをふくらませました。まなみさんは「こんなキャラがいそう」って
田宮さんが落書きしているのを見て、そのまま採用(笑)。ちょっとヌケた、丸メガネの子が欲しかったので。

――石川社長を女性にした理由は?

梶岡:これまでの2人が男だったからですね。実際に私が知ってるアイドル事務所の社長さんも、けっこう女性が多いんですよ。

ブンケイP:これは結果論ですけど、女社長で良かったです。涼に女性デビューを命じたり、シナリオ全体を通して、
石川社長は高木社長よりもアイドルにシビアに、支配的に接することが多いんですよね。
これが男性社長だったら、もしかしたらプレイヤーからイヤなだけの人物に見られていたかもしれません。

梶岡:男キャラについては……、あまり語らないでいいかな(笑)!

ブンケイP:1つだけ言いたいのは、武田っていう男性音楽プロデューサーが出てくるんですが、
別に千早と特別な関係ではないので!安心してください。そんなことは僕が許さないので(笑)。

――今回のシナリオの作りは、これまでの営業イベントの積み重ねよりも、線としてつながっていくイメージがありますが、その狙いは?

梶岡:これまでのシステムでは「このイベントを見ないとあのイベントが発生しない」というような、
フラグ管理がしづらかったというのはありますね。また、そうしてしまうとプロデューサーそれぞれの物語なのに、
こちらの恣意的なものが入っていってしまうので。また、今までは千早だったら千早の話が進むだけ、
という構成だったんですが、今回は3人のアイドルに絞れているので、お互いのストーリーが絡み合うという
試みができました。3人それぞれでプレイすることで、シナリオの全ぼうが見える作りになっています。

――それは3人全員のシナリオをクリアしたくなりますね。今回、分岐はどのくらいあるのでしょうか?

梶岡:よく「正しいルートは?」とかも聞かれるのですが、正しい選択というのはなく、みなさんの選んだ選択が
正解です。オーディションで負けたとしても、それはみなさんの物語。思うがままに遊んでもらいたいですね。

ブンケイP:正解を求めるゲーマー心理も理解できるので、オススメとしては、まずはオーディション前に要セーブ。
負けたら負けたですぐにリセットせずに、もう少し遊んでみてください。もしかしたら、そこですぐにエンディングに
なるのではなく、負けたときにしか見られない展開が続いているかもしれないので。

梶岡:負けたときのものも含めて、すべてのエンディングは楽しめるようにしっかり作っているので。

――765プロのキャラの登場のさせ方はいろいろと考えたのでは?

梶岡:本来、765プロのアイドルがどう成長したかというのは、私たちが決めることじゃないんです。
それぞれのプロデューサーさんが、アイドルとともに歩んだ思い出こそが正解なんです。
そういう想いがあるので、『アイマスDS』に出てくる彼女たちは1つの可能性。プロデューサーさんたちから
お借りして、先輩として登場してもらっているつもりです。

ブンケイP:そういう意味では難しかったですね。最初は数年後という設定も考えてはみたんです。
自分の妄想プールの中にそれを放り込んだとき、あずささんは俺と結婚、真は俺の嫁で、律子は共同経営者……
と提出できないような考えがはじき出されてしまい、これはイカンと(笑)。

梶岡:いや、絶対ありえない(笑)。

ブンケイP:『アイマス』は、アーケード版もXbox360版も、『アイマスSP』も、すべて平行に存在する
パラレルワールドなんですよ。だから『アイマスDS』が『アイマスSP』のエンディング後というわけでもないんです。
プロデューサーさんに、1つの可能性ととってもらえるようなバランスでアイドルを登場させるのが難しかったですね。
あくまでみなさんの中にいるアイドルこそが正しいのであって、1つのパラレルとして本作の彼女たちが
存在すると思ってもらえれば。あえて何年後、何ランクとも言ってないので。

――新曲については、どんなオーダーをしましたか?

梶岡:テーマ曲「“HELLO!!”」は神前君に頼もうというのは決めていました。私が彼のファンの1人でもあるので。
明るくて元気な曲をお願いしました。作詞のyuraさんからは「どんなゲームですか?」ということをいろいろ聞かれて、
決まっていることをすべてお話しして作詞をしてもらいました。神前さんとyuraさんの間でも
「ここはこうしたいから、そっちを変えてほしいなぁ」とお互いに言い合っていたらしく(笑)。
そんな相談の積み重ねがあったかこそ、クオリティの高いものが上がってきたんだと思います。

――3人の持ち歌はストーリーにも絡んできますよね。

梶岡:今回はストーリー重視という作りにしているので、曲も物語に沿ったものにしようと考えました。
愛の「ALIVE」は母親の歌っていた曲なので、大物になった山口百恵さん、松田聖子さんのような壮大なイメージで。
あとは椎名(豪)君に「想いのたけをぶつけてくれ」と。最初は大物すぎるだろ~ってぐらい長くて
「ここから短くするから!」って言っていましたが、驚きました(笑)。
絵理の「プリコグ」は、彼女がネットアイドルだったということで、デジタルでオシャレな感じ。
花澤香菜さんの声を生かすイメージで発注しました。
涼の「Dazzling World」は、アイドルらしい王道な感じです。彼はあくまで男の子なので、曲も含めて
全力で女の子のようにしてあげないといけないので。

『アイマスDS』が刻んだ新たな一歩

――今後、876プロ3人の活動はどうなっていきますか?

ブンケイP:個人的には、765プロと違うフレームでできる場所が作れたので、いろいろなイベントなども
やってはみたいのですが。夢だけはいろいろと広がっています。それも876プロのアイドルが受け入れられれば、
の話ですけど。残念ながら、今のところお約束できるお話はありません、ごめんなさい。

――今回『アイマスDS』で入った新要素というのは、次回作にも取り入れられるんでしょうか?

梶岡:それはまず「こういうものを提供したい」という軸を考えて、それを実現するために必要だったら
入れるということになります。常に一度更地にしてから組み立てていきたいと考えています。

――『アイマスDS』の開発を終えられた2人は、次回作の開発に加わることになるのでしょうか?

梶岡:というか、今も同時進行ですよ(苦笑)。『ライブフォーユー!』のダウンロードコンテンツも、
ずっと私が作っていたので。常に何かしら同時進行です。

ブンケイP:『アイマス』に絡むと1つの場所じゃ終わりませんね。

――最後に、お2人にとって『アイドル』ってどんな存在ですか?

梶岡:一言でいうと「夢」ですね。「夢を与えてくれる人」です。日頃のツライ気持ちを癒してくれたり、
こり固まった心をほぐしてくれる存在。よくかわいい子のかわいい仕草を見て「溶ける~」って
思うじゃない……って、俺だけかな(笑)?その心を溶かしてくれる感じが、自分にとってのアイドル像ですね。
20年来のアイドル好きですから。

ブンケイP:僕は逆に、現実世界のアイドルに興味があまり持てないんです。僕にとってのアイドルは
「春香」ですね。僕がこの場にいるのは、彼女がいたからですよ。アーケード版のプレイを律子でやってダメで、
あずさでやってもっとダメで。春香でやってダメだったら、もうやめようと思っていたら、うまくいったんです。
それで僕は『アイマス』から離れなかったし、その流れでこの仕事を今しているので。恩人です。
僕のアイドル像の象徴です。……、で、律子はパートナーだし、真は嫁さんだし……(以下略)。